「玉虫の翅は構造色なので、白化はありえません」



地方都市神尾田で、ある日一匹の玉虫が発見された。


銀色に光る翅を持つその姿は神秘的ではあったものの、

その段階ではまだ一つの町の小さな出来事でしかなかった。


しかし、同じ場所で再び銀色の玉虫が発見され、またそれを好事家が

数百万円で購入したという噂から事態は急変、

とうとう新聞やテレビを巻き込む一大ニュースとなってしまった。


いつもは静かな山が、昆虫採集をする老若男女でごった返す異様な光景。

地元小学校に留学する4人の少女たちは、

周囲の喧騒は冷めた目で眺めながらも、

興味のため、友人のため、また自身の力を見せるため、昆虫採集の準備を始めていた。